本気の国際協力を目指して(学生団体 Infinite connection)

みなさんはボランティアやチャリティーという言葉に、どんなイメージを持っていますか?

今回は、ラオスに教育という側面から支援を行う学生団体Infitite connection(通称INCONNE)の代表を務める福永愛さんにお話を伺ってきました。福永さんは現在、関西学院大学に通う2回生。彼女がINCONNEに入ったきっかけや団体での活動内容など、じっくりと語っていただきました。

INCONNEについて

まずはInfinite connectionの活動内容について教えてください。

はい。主な活動内容としては、現在までに7回ほどのチャリティーイベントを行ってきました。テーマを「楽しみながら社会貢献」として、イベントの規模は300人ほどで、内容はゲームや様々なブースを参加者に楽しんでもらうというものになっています。チケット代から出た利益はすべてラオスでの学校建設費用に充てています。メンバー同士でスタディツアーとして12日間ほど、実際にラオスへも足を運びます。

そもそもどうしてラオスを選んだのですか?

理由は大きく分けて2つあります。

1つ目は、自分たちの経済的理由、また日本からの距離を考慮した上で、ラオスは私たちが”実際に行くことができる”国であったためです。

2つ目はラオスは経済発展が著しく遅れている国であったためです。植民地時代に行われた愚民政策(知識人をあまり育てないようにするという政策)の影響で、ラオスでは教育に対しての優先順位がきわめて下位に見られていました。それに加え、ベトナム戦争時の不発弾が多く埋まっていることもあって陸路の発展が困難であったために、内陸国のラオスは経済的に成長することが難しく、その遅れが特に目立っていたため支援することに決めました。

日本から20時間かけてたどり着く村

ラオスでの学校建設は具体的にどのように進められているのですか?

現在は幼稚園が完成し、小学校は残りの2教室を作っている最中です。こちらは2016年の春か夏には完成予定となっています。中学校はこの前のイベントで建設費用が集まったので、2年以内には完成すると思います。現地の人たちはスローなので(笑)

向こうで人を雇っているんですか?

はい。ラオスは社会主義の国で手続きがとても厳しいんですよ。申請なしでは勝手に村に入ったり、自由に宿泊もできない。教育に手を出すなんてもってのほかです。なのでNGOに仲介団体として入ってもらって、現地で棟梁を雇っています。

学校を建てているのはどんな所ですか?

ラオスの南部にあるノンテノイ村というところです。首都ビエンチャンから夜行バスで10時間、さらにバスを乗り継いで、国道からトラクターで50分くらいのところにあります。日本からだとフライト時間を含めて、村まで20時間くらいかかっていることになりますね。人口は1000人くらいです。

 

村を決めるにあたっては仲介団体にいくつか候補を提示してもらって、村人たちにヒアリングを行いました。その中でも特に「自分たちは受けれなかった教育を、村の若い人たちには受けて欲しい」と強い思いを感じられたのがノンテノイ村でした。

実際にノンテノイ村では小学校から中学校に上がるにつれ、半数以上の生徒がドロップアウトしてしまう。彼らは10代のうちから出稼ぎのため、国境を越え隣国のタイへ向かいます。そのため村では若い男の人を行事の時以外にはあまり見かけないそうです。

得意分野でアプローチする

福永さんがINCONNEに入ったきっかけを教えてください

小さい頃からクラリネットをやってたんですけど、小学校6年生の時に、地元の大分にスイスからジャズバンドが演奏公演に来たんですね。そこのバンドの子達が、とても上手いんですけど、演奏の収益をアフリカの国への楽器提供に充てて社会貢献をしていると知って。めちゃくちゃかっこいいなと思って。「困っている人のために、自分の得意なこと、できることでアプローチする」って結構興味のある分野だなあってぼんやりと思ってたんです。

 

大学に入った時に、色んなボランティアサークルとかを見て回ったんですけれどその時に、「自己成長」とか「就活のために」とかを謳い文句に活動している団体が多いのに愕然としてしまって……入るのやめようと思ったんですよ。そんな時に今の団体のビラを持っているメンバーに出会って。説明会に行ってみたら、ラオスという国での活動をしてると知って。ラオスって結構マイナーじゃないですか、なのに団体を通して知ったであろう、こんな遠く離れた国のパートナーのことを思ってここまで活動できる「温かさ」が素敵だな……と思って入ることに決めました。

団体にはどんなタイプの学生が多いですか?

文系理系でいうと、割合的には文系の方が多いです。地方出身の学生も沢山いますよ。留学に行くメンバーもいるので、彼らには広報部として活動してもらったりもしています。

実際にINCONNEのFacebookページには海外にいるメンバーによる、英語での投稿も行われています。福永さんの曰く、「自分の得意分野で活動にアプローチできる」のも団体の魅力の一つと言えます。

真髄は「人との繋がり」

今までで特に思い出に残っている活動はありますか?

初めてラオスに行ったのが1回生の夏で、団体の1つ目の目標である幼稚園建設が達成された時だったんですね。その時に開校式があって、村の人たちが嬉し泣きしてて。ちゃんとこうやって人の役に立てるんだ、というのが実感できたのと、初めてとか関係なく受け入れてくれる村の人たちの寛大さに心打たれて……。国際協力と社会貢献ってとっても難しいことなんですけれど、真髄は「人との繋がり」だなということをすごく感じたんです。それがきっかけで、普段のミーティングや募金活動も「今やっているだけ」じゃなく、その思いを責任を持ってラオスの人たちに繋げて役に立つようにするんだっていう「この先」のことが一連してスッと見えたんです。そこからはよく学生にある「モチベーションが下がる」とか、そう言ったことは特に感じなくなりましたね。

今後の活動の方向性について教えて下さい

村人と一緒に作り上げていく支援というのはこれからも続けていきたいです。もともと私たちが掲げる理念に対して、「学生だから〜できない」「学生だからここまでしかできない」とかいうのではなく、今までにないもの(例えば学校)を作り上げていくという活動を責任を持って行い、「本気の国際協力」をしていきたいと考えています。

 

教育という面から国の発展に繋がってほしいという思いと、日本国内でもっともっと私たちINCONNEを通して、社会貢献やボランティアってそんな難しくないんだということに気付いて「やってみよう」っていう人口が増えてほしいなという思いがあります。結果的にそれが、より良い社会に繋がっていくと思うので。

結局は自分の何かに引っかかる事って、自分のバックグラウンドや興味のある事に起因していると思うんですよ。それが「より良い社会」に繋がっているのであれば、自分の好きなフィールドでやっていったらいいんじゃないかなって。

国際協力をやってほしいという訳ではなく、「何か楽しい事始める」とか「もっと今やっている事頑張る」とかのきっかけになれる団体でありたいなと思っています。

 

サークル・団体名

代表者氏名

福永愛

活動頻度

基本月4回

会費

半期3,000円

所属人数

32人

男女比

男:女=1:2

募集時期

いつでもOK

参加大学

関西学院大学、関西大学、甲南大学、近畿大学、関西外国語大学、甲南女子大学、大阪経済大学、同志社女子大学、兵庫県立大学、大阪府立大学など

メールアドレス

infiniteconnection0617@gmail.com

Twitter

こちらから→@inconne617

 

 

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