私の就職活動
音大生の将来を変える!白鳥さゆりさんに会ってみた
こんにちは。最近寒さに耐え切れず手袋が手放せないとくさんです。
そんな気温がグッと下がってきた11月某日、白鳥さゆりさんにお会いしてきました。冬っぽいお名前とは裏腹に、熱い心を持っている素敵なスーパーウーマンです。
白鳥さんは3歳からピアノを始め、高校・大学で音楽を専門に学び、新卒でリクルートに入社後、27歳で独立された方です。現在、ご自身の経験を基に、音大での講演活動や、音大生・音大卒業生に向けにキャリアコンサルティングやコーチングセッションを行なっています。
お会いした感想を先に言うと、
もっと早く出会いたかった…!
と思わずにはいられませんでした。
今回は、長年音楽を学んでいたにも関わらずリクルートへ就職した理由、これからの音大生の将来について白鳥さんが考えていることを中心に、インタビューを行いました。
音大生の方はもちろん、社会人になってからの働き方について悩んでいる人はぜひ読んでみてください。
こんにちは。とくさんです。よろしくお願いします!
こんにちは!よろしくお願いします!
Q.早速ですが、音楽を学んでいる中で、一般企業に就職するきっかけって何かありましたか?
きっかけというか、最初はなんとなく就活を始めましたね。というのも、2回生の時付き合っていた彼氏にピアノが理由でフラれたり…
え、ピアノが理由でですか!?
レッスンや練習とかで、なかなか会う時間が取れなくて…(笑)
あと、バイト先にいた大学生たちが就活の話をしだしたんです。音大の中とかだと気付きにくいですが、「そっか、この時期から始めるんだ。」と思ったのがスタートでした。
その後、就活をする中でいろんな大学生とか社会人に出会って、
「あ、音楽だけの自分の世界って狭いんだなー」
って思いました。
音楽で仕事をするにしても、相手にするのは大半が音楽を専門としていない、他の世界にいる人。そうした人たちと仕事をしていくためには、音楽以外の世界に触れ、ビジネスの仕方を知らないといけないと思いました。
そう考えるうちに、自分の目標に向かうための修行として、就職しようと本気になりましたね。
Q.就活を始めてから先生とかお友だちとか、周りの反応はどうでしたか?
まず、スーツ着てレッスンに行くと先生に「女性が営業だなんて…。」とか言われました。
それでもピアノは本気でやりたかったから、「練習は大丈夫なの?」と言われないように、しっかり練習してましたね。
多分、友人からは就活大変そうとか音楽をやめる人だと思われていたと思います。
それって実際には言われないけど、なんとなく無言の圧力が……ってことですよね(笑)
そうですね。誰も口には出さないけど、そんな感じ(笑)
Q.では、前職であるリクルートを選んだ理由は何だったんでしょうか?
志望動機ですね。まず、成長できることを謳っているところが良かったことと、あとは独立する人が多いところです。
それと、女性が活躍しているところもです。
仕事が大変なことはわかっていましたが、なりたい自分になるための修行なので!
Q.志望動機の時点で独立を考えられていたのですか?
独立の意志は固く持っていました。面接では「3年後に独立します」って言ってたくらいです(笑)
Q.すごい!実際にリクルートで成長したと感じることはありますか?
営業のスキルはもちろんですけど、決めた目標を達成すること、それと、まずは行動してみること、あとは情報を発信してくこととかマインド的なところで成長は出来たと思います。
Q.現職にも生かされていますか?
そうですね。リクルートがトライ&エラーの精神だったので、「不安だから始められない」ということがないですね。
Q.お仕事をされている中で、音大生はこういうところが利点だな、と思われたことはありましたか?
私がリクルートでチームをまとめて人を動かす立場になったとき、人のモチベーションを上げる働きかけが必要とされていました。
こういう場合、何かに打ち込んだ経験のある人って自分のスイッチが入った時の走り方が想像できるからモチベーションを上げやすいんですよね。
でも、その経験がない人はそもそもモチベーション上げるのも難しいし、社会人になってからいきなりその経験を積むのも大変です。
そう考えると、音大生は打ち込んだ経験を必ず持っているんです。だから、「モチベーションをあげて目標に向かうことができる」のは非常に強い利点だと思います。
Q.なるほど。具体的にはどうやって目標に向かっていくんでしょうか…。
まず、自分がどうなりたいのかを持っておくことが重要です。
将来を見ないようにするとポジティブになれないので。それを常に考えながらちゃんと選択をすることですね。音大生で言えば、卒業後に音楽をやるかやめるかではなく、教員になることや企業に就職すること、進学や留学など音楽と自分のしたいことの両立が可能な選択肢が多く存在します。
Q.ピアニストとしてはコンクールにも出られ、1位もとられていますが、リクルートで働きながらの練習に苦痛を感じたことはなかったですか?
苦痛はなかったです!
それまでは先生に言われたりとか流れでコンクールに出ていましたが、レッスンも受けることなく、自分の好きなこととしてピアノを弾くことができました。
その結果、演奏のお仕事も頂きましたし、コンチェルトも弾けました!
Q.ブログで拝見しましたが、学生の頃は朝4時起きで練習に行かれていたんですよね?
そうですね。試験前とか、その日中に練習できる時間が少ない日は、7時から1限が始まる9時までの時間で練習をしたかったんです。
あと、家から大学まで1時間半はかかるしグランドピアノのある部屋を取りたかったというのもありますね。
Q.私はとてもじゃないけど起きられない時間です……
企業で働きながらコンクールに挑むということに、学生時代のそういった経験は活かされましたか?
目標に向かう姿勢もですが、ただ時間をかけるのではなくて、短い時間でも効果を出すことはできるという実感と時間を創出した経験が活かされたと思います。
Q.白鳥さんのもとにはどんな相談が多いですか?
主に大学を卒業された人で、音楽をしながらバイトをしている人や、就職したけど本当にここでいいのか迷っている人、音楽教室を開いたけれどうまくいかない人とかが多いですね。共通しているのは、現在のお仕事と真剣に向き合っている方々というところです。
Q.現役の音大生が来ることはありますか?
音大卒業生に比べると、現役音大生はかなり少ないですねー(笑)
興味を持ってくれている人は多いようなんですが、なかなか将来のことについて考える時間がないのかもしれません。
ちょうど複数の音大から講演依頼が来ているので、今後、現役音大生には講演やセミナー活動をしながら積極的に会いに行こうと思っています!
それは楽しみですね!
では、最後になりますが、今後どういったお仕事をされていきますか?
将来のことについて選択肢を見つけるお手伝いや、音大生や音大卒の人たちが社会と接点を持ちながら活動できるように、様々な分野から音大生が求められるようにしていきたいと考えています。
進路の幅が狭いと考えられがちな音大生にとって、必要であると同時に、非常に嬉しいことですね!今日はありがとうございました。
ありがとうございました。
冒頭でもお伝えしましたが、白鳥さん、めっちゃ素敵な方です。
実際に話してみて、私自身も音楽のある将来についての視野がググッと広くなりました。選択肢は決して一つではない。そして、自分がいる世界とはあえて違う世界に飛び込み切磋琢磨する経験が、最終的には目標として描いた将来に活かされていくんですね。
就活に対する視点の持ち方は、音大生以外の大学生も共通して持つべきものだなと感じました。
少しでも興味を持ったという人は、こちら のブログもぜひご覧ください。