学生ライフ
靴磨きの基礎【インターン汚れた靴で行くの?】

ボンジョールノ!
イタリア人になりたいメンズファッションライターのサカモトです。(どうあがいても日本人)

今まさに就活や新社会人として、はたまたお洒落な読者様は私服に合わせて、革靴を履かれている方もたくさんいらっしゃることでございましょう。
ではちょっとご自分の足元を見降ろしてみましょう。
靴、磨かれていますか? 足元は見られてございますよ。

「そうはいってもどうすればいいか分からないし……」

そんな皆様のために今日はワタクシが最低限これだけは押さえておけ、という靴磨きの基礎についてお教えいたしましょう。
なお今回磨く靴を提供してくださいましたのはきっとみつかるスタッフのTさんです。
グラッツィエ シニョールT!

1.必要な道具

①馬毛ブラシ 
②豚毛ブラシ1 
③豚毛ブラシ2
④ペネトレイトブラシ
⑤乳化クリーム
⑥デリケートクリーム
⑦クリーナー(最悪なくてもかまいません)
⑧クロス(綿100%ならTシャツの切れ端でも何でも構いません)
⑨シューキーパー(100均のもので十分です)

※ブラシ、クリーム類はすべて東◯ハンズでお買い求めいただけます。

2.どうして靴を磨くのか

靴磨きを教えてほしい人に磨き方だけ教えて、はいおしまい。というのはワタクシの性分にはどうも合いませんゆえ、面倒かもしれませんが大切なことでございます。
どうぞお付き合いくださいませ。

もちろん靴を磨くのは周りからの印象をよくするため、というのが一つ。
もう一つは自分が気持ちよくなるためでございます。

まずは前者の説明をいたしましょう。
といってもわざわざ説明するまでもないことかもしれませんが、仮にワタクシが企業の人事だったとして、同程度のスペックで靴のきれいな新卒か、靴の小汚い新卒かといわれれば、迷わず靴のきれいな方を取ります。
靴のきれいな人に(少なくともその点に関して)悪い印象は持ちませんが、靴の小汚い人はあまりいい印象ではないでしょう。(ワタクシは汚れた靴を見ると磨きたくなるのですが)

それに靴磨きとはセルフケアの一部で、そういった細かいところにまで手を抜かない人、という印象を受けるからでございます。

また、磨かれた靴と全く手入れをしていない靴とでは寿命に天地の差がございます。(これについては後述いたします)

さて、後者でございますが、例えば上司の怒号に疲れて帰るそのさなか、うなだれて視線を落とした先に汚れた靴があったらどうでしょう? 疲弊した心に追い打ちもいいところでございます。
もちろんただのたとえ話でございますので、こんなことは実際にはないのかもしれませんが、それでもきれいに磨かれた靴を履くということは自分に自信が持て、日々の生活にハリが出るというものでございます。これは実際に磨いてみれば分かることと思いますので、さっそく(やっとかな?)磨き方のレクチャーに入っていきましょう!

3.シューキーパーを入れる

まず最初に靴にシューキーパーを入れます。(百均で十分です。)
これを入れることによって靴に入ってしまった履き皺を伸ばすのでございます。
また木製のものは靴内部の湿気を吸ってくれるため、靴内を清潔に保つ効果もあるのでございます。
またこの際に靴紐は取っておきましょう。

4.ブラッシング

まずは馬毛のブラシでブラッシングをいたします。
馬の腰のあるしなやかな毛でブラッシングすることで、毛穴やアッパーとソールの隙間などにつまった埃を掻き出す効果がございます。
つま先からかかとの方へと細かく、またときに大胆に動かして丁寧にほこりを払いましょう。

また、今回説明しているようなメンテナンスをするときでなくても、家に帰ってきて靴を脱いだ時にこの馬毛ブラシでブラッシングをいたしますと、補給した油分(後述)が抜けにくく、つやが持続するのでございます。ぜひ習慣づける事をお勧めいたします。

5.クリーナー

次に、以前磨いた時の古くなったクリームや汚れ等を除去するためにクリーナーを使用いたします。
このとき指に巻き付けたクロスに少量のクリーナーをつけ、足りなくなったら継ぎ足し継ぎ足しでクロスにつけて磨いていきます。
クロスが汚れたら面を変えて指に巻きなおしましょう。

(ただこの工程は、有機溶剤で汚れを溶かす関係上、どうしても多少革にとってダメージになります。ですのでどうしても気になる汚れがある時等しかワタクシは行いもせん。しかし毎回行われる方もいらっしゃいますのでここは好き好きでございます。また、今回は汚れが酷かったため油溶性のモノを使いましたが、普段使いなら水溶性のものがおススメでございます。)

6.デリケートクリーム塗布、ふき取り

次にデリケートクリームを塗布していきます。このデリケートクリームは、普通の靴クリームに比べて乳化させる際の水分含有量が多いのでございます。
皮革と申せども動物の皮であることに変わりはございません。人の肌に水分と油分が必要なように、革もまたそれらを欲しているのでございます。
また革が乾燥していると、破れ(クラック)の原因にもなります故、しっかりと塗布致しましょう。

このデリケートクリームは適量(一般的に米粒3粒分くらいと言われております。)を指に着け素手で塗り広げていきます。これは革の乾燥具合を手で確かめながら塗るためでございます(肌や髪を触って乾燥していると分かるように触っていただければ分かるかと。)

まんべんなく塗り終えた後は1~2分間放置したのちに余分なクリームをクロスで拭きあげましょう。
このときもクリーナーの時と同じようにクロスが汚れましたら面を変えましょう。

7.乳化クリーム塗布、ふき取り

つぎに、塗っていきますのは、おそらく皆様が靴クリームと聞いて思い浮かべるであろうクリームでございます。
先述のように革は油分を欲しております。ですのでこの乳化性クリームで油分を補給いたします。(革の栄養=油分と考えていただいて差し支えございません)油分もまた不足致しますと、革が硬化し、破れの原因になります。

これをペネトレイトブラシに適量(これも米粒2,3粒程度)取り、靴にまんべんなく塗り広げてまいります。
しっかり塗り広げ終えましたら、次は豚毛のブラシでブラッシングしてまいります。
固く、ハリコシのある豚の毛でブラッシングすることで余分なクリームを取り除き、かつ塗布されたクリームをより毛穴の奥にしみこませる効果がございます。

これがおわりましたらまたしばらく放置して、先ほどと同じ要領で拭きあげていきましょう。

8.完成

これで基本的な磨きはこれで完了でございます。
まぁなんということでしょう! あんなに狭かった台所……ではなくあんなに汚れていた靴は元の輝きを取り戻し、足元に重厚感をもたらしてくれるのでございます。

ですがこの後につま先を鏡のように光らせる“鏡面磨き”という工程があるのですが、これは必ずせねばならないわけではございません。
これについては需要があればまた特集させていただきます。
(それだけで膨大な文字数になりかねませんので……)

ワタクシはあなたの良き靴磨きライフを祈っております!
ティベリアーモ!(またね)

“下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。
そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ”  
── 阪急グループ創設者 小林一三

編集部から一言

劇的ビ〇ォーアフター

 

 

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