学生ライフ
芸大生ってなにしてるの?~現役芸大生の大学生活~

こんにちは
ふくたつです。

皆さんは大学でどんな勉強していますか?
僕は建築の勉強しています。

そういうと聞かれるのが
1、工業大学ですか?
2、どんな講義があるの?
3、作品作るのって楽しい?
この3つです。

工業大学のイメージが強いみたいですが僕は、芸術大学です。
すると次は、建築学生よりも芸大生、「デザインやアートの勉強している人って
どんなことしてるの?」って聞かれることが多いので

今回は、芸大生の大学生活をご紹介します!

はじめに言っておきます……めっちゃしんどいです。

しんどいですが作品作るのは楽しいです。

そもそも芸大生って何してるの?

一番気になりますよね
僕の大学の授業内容は大きく分けて2つ

基礎科目
所属学科科目

この2つなんですが
さらに細かく分けると

基礎科目
・一般教養(語学、日本史、心理学とかも)
・芸術基礎(美術史、音楽史)
・基礎実技(デッサン、製図、word・excelじゃないパソコン編集)

所属学科科目
・建築史(歴史)
・制作課題
・実践・手法(構造、素材、空調とかの設備、事例解説)

こんな感じになるんですがイメージし辛いですよね。
特に実践・手法の講義なんですが構造、素材、設備の内容は大体どこも同じだと思うんですが
事例解説は先生の趣味全開の内容になることが多いので説明し辛いのですが
デザインする上で「こういうこと大切にしてみるといいかもよ」ってことを教えてくれる講義です。

基礎科目の授業は、所属学科関係なく履修できるのですが、
その中にも美術史とかデッサンみたいに専門的な授業もあったり種類は多いです。

基礎実技の授業は、作品を作る時に使える表現を学ぶ授業で
デッサンとか製図みたいに鉛筆を使う実技もあれば
詳しい説明は省きますが、Illustrator(イラストレーター)、Photoshop(フォトショップ)を
使った画像の合成とかポスター作ったりするパソコンでの実技もあるんです。

僕の大学では、こういうパソコン実技は、所属学科では、CAD(製図用ソフト)だけで
作品の発表に使える技術は、独学か先輩に教えてもらいました。

基礎の勉強してからそれを制作課題で使うまでに半年ぐらい空いたりして使いかたを
忘れる人もいたので覚えた技術は実践が大事でした。

空き時間に練習したりとか
コンテストに作品出したりとか

制作課題は、そのまま作品作りですね
大体、1か月から2か月で1作品で年間3作品ぐらいでしたね
前期4か月、後期3か月程度しか授業がないので

なのでどっちかというと作品作りの講義よりも座学のほうが多かったですね。
もちろん制作課題の単位は多めに設定されてて週5コマ分とかですが

まとめると
・講義は座学のほうが多い
・技術は忘れる前に使ってなれる
・基礎科目は種類豊富

芸大生の大学生活はこんな感じです。
まだこれだけなら制作課題が入った以外特別大変だと思うことはないでしょう。
なので次は芸大生の制作課題に情熱を注ぎこんだスケジュールをご紹介します。

1週間のスケジュール

これが当時の時間割です。空きコマは多いですがその時間は制作時間にあててました。
具体的な一日の動きは

  6時 起床

  7時 出発
  実家暮らしだったときは9時に大学につくためにこの時間に
  家を出ていました。1時間半かけて乗り換えを重ねて
  大学を目指します。
  移動時間は、基本寝ていました。

  9時 大学到着
  大学についたら授業に出るか作業スペースで制作課題
  1限目は授業を極力取らないようにしてました。
  ……寝坊したくないので
  
  12時 昼休み
  午前の予定を終えて一旦休憩

  13時から18時 授業もしくは制作
  再び授業もしくは制作

  18時から21時 居残り作業
  大学自体は18時までの授業時間で終わりですがそのあとは申請をすれば
  21時まで残れるので残って作業

  24時 帰宅
  帰りは電車の本数が少なかったり各駅停車しかなかったりと行く時よりも時間
  かかってました。これからご飯食べてお風呂入ります。

  1時から4時か5時 再び作業
  まだ寝ません。提出が近づいたり作業が中途半端だと納得できずに作業します。
  そして日が昇るころにいったん寝てまた6時起きての繰り返しです。

どう思いますかこのスケジュール

個人差はあれど回りで制作課題に熱意がある人は
こんな感じの人が僕の周りには多かったです。
移動の電車は基本寝てましたが家ではほとんど寝てませんでした。

バイトは一応していましたが提出が近くなると無理言って休ませてもらってました。
ひどい時は1か月丸々休ませてもらったり……

バイトしなくて大丈夫なの?
作品作るのにどのくらいお金かかるの?と思うでしょう。

正直大丈夫ではありません。お金もかかります。
そこで次は、芸大生の出費について紹介します。

芸大生のお金事情

芸大生の主な出費はなんといっても作品の材料費
建築学科の作品にどれだけの費用がかかるのかご紹介します。

建築学科の作品は模型での表現と図面や絵を使っての表現の2つが基本です。
その中での模型材料にかかる費用は

1:消耗品
トレーシングペーパー A3サイズ100枚 約1000円
接着剤 1個 約200円

2材料費
スチレンボード(発砲スチロールを紙で挟んだもの) A2サイズ 厚さにもよるが1枚約600円
木の表現(街路樹とか) 1束約800円
木材の表現(フローリングとか) 約400円
ガラス窓の表現(使うのは主にプラ板) 約100円

とこんな感じで材料一つでは表現しきれないからいろいろ組み合わせて作ります。
ちなみに材料費は、提出した際の完成品でだいたい5000円から
課題によってサイズも変わるので10000円以上かかったりも………

さらにアイディアを確認したりするのに模型を試作したりするので
さらに倍かかったりもします。

卒業制作では50000円以上かかってる人が多かったです。

これに飲食代や遊びに行ったりと課題に直接関係しないところでもお金は
当然使うのでかなりの出費になります。

制作には、体力と財力が必要なんです。
なのでバイトは課題がない時期やまだ始まったばかりでアイディア出しを
してる時にして提出が近づくにつれ一気に休むみたいな感じでしています。

課題の評価はプレゼン方式

膨大な時間とお金をかけて作品を制作する芸大生ですが、作品の提出・評価について
少しお話しします。

大学の課題はレポート形式が多いと思います。
ですが芸大生は、作品があるので教授に提出することはほとんどないんです。

なので評価は基本的に作品と建築学科であればプレゼンテーション用の資料、コンセプトや図面。スケッチを
書いたものを使って発表し先生からのコメントを頂きます。

その時間はなんと……

発表1分、教授からの講評3分

短い

ほんとに短い

これは大学によって差はあると思いますが
学年で80人いたので、1人4分使えば320分

5時間以上になるのでこのぐらいになってしまっても仕方ありません。

1か月以上かけて作った作品を1分で発表するってホントに短いんです。

 

なぜそこまでするのか

いかがだったでしょうか

僕個人の大学生活ではありましたが、芸大生が何をやっているのかが
少しでも伝われば幸いです。

「なんでそこまでするの?」と思った方もいると思います。

正直、ここまでしなくても単位は取れますし卒業はできます。

ここまでする理由は、まず一つに就職活動にポートフォリオ
要は作品集が必要になるケースが多いからです。

芸大生の就職先はデザイン職が多く、技術も求められます。

その技術の有無、どんなことができるのか、

大学で何を学んできたのか、どんなアイディアを生み出せるのか

それを伝えるためには、エントリーシートや自己PRだけでなく
今まで作ってきた作品が必要不可欠なんです。

面接のときにはやっぱりいいものを見せたいですよね。
そうなると多くの時間をかけて本当に作りたいものを
作ったほうがいいですよね。
そうしたほうが自信をもって見せることができますよね。

あと一つはやっぱり「楽しい」からですね。
自分のアイディアをイメージを形にすることができるのはやっぱり楽しいんです。

というより楽しくなければここまでできません。
作っている時は苦しいことの連続です。
それを帳消しにできるぐらいの達成感が
作品作りにはあるんです。

これから芸大に入学する皆さん。
芸大に通っている皆さん。

なによりもまず作品を作る楽しさに触れて
自分が納得できるものを作ってください。

 

 

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