学生ライフ
【結局どういうことなの?】よくわかるアメリカ大統領選2016
皆さん! この間の11月9日に何があったか覚えていますでしょうか?
同時多発テロ? いつの話してるんです?
ベルリンの壁崩壊? 何歳生まれかな?
安史の乱? この間の範囲広すぎません?
違いますよ!
大統領選挙ですよ!
こら! そこ! 「あ~……。そういえば……。」みたいな顔しない!
当日まで当選確実と言われていたクリントンさんをトランプさんが怒涛の追い上げで巻き返し、まさかの当選で大どんでん返し!
いや~、私も手に汗を握りながら憲法の講義中に携帯を更新しまくって速報をみていました……!
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で?
確かに興奮したものの、日本に住んでいる私たちにとって正直「だからどうした」って感じですよね。
でもそれじゃあだめなんです!
自国じゃないからといっても、事態はあの世界のリーダー、アメリカで起きてるんですよ!
事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ!
……。はい。伝わらないですね。思い付きでしゃべるもんじゃないです。黙ります。
とっ、とにかく! アメリカの大統領が変わったということは世界の在り方が変わるといっても過言ではないんです。もちろん日本の政治にも経済にも大きく影響してきます!
つまりどういうことかというと……
就活に影響します!
不景気で就職しづらくなるとかそういうこともありますが、面接で聞かれるなんてことも想定されます。
そんな時に困らないためにも今から一緒に今回の大統領選について知っていきましょう!
出典:http://jp.ibtimes.com/articles/1643256
これね。最近聞かれた質問の中でかなりヤベェと思った質問ですね。
何がどう「ヤベェ」のかわかんない人のために、まずはアメリカの大統領選挙の仕組みから説明していきますね。
アメリカの大統領選は4年に一度、オリンピックが行われる年と同じ年に約1年かけて行われるビックイベントです。
つまり、アメリカの大統領は4年に1回変わるということですね。
あれ? オバマさんが大統領になったのってそんなに最近でしたっけ……?
いえいえ、実はアメリカの大統領は任期4年で当選すれば、2回までなら連続で大統領を務めることができるんです。
そして、オバマさんがアメリカ大統領に当選したのは2008年。
つまりオバマさんは「辞めさせられた」のではなくて、きちんと任期満了で次の方に座を譲ったということですね。
これでさっきの質問の「ヤベェ」点が1つ解決しました。
でもまだありますよ?
そもそも、アメリカの大統領は日本の首相とは違い「辞めさせられる」ということはありません。
どういうことかというと、アメリカは日本よりも三権分立がはっきりしているので議院内閣制などはなく、議会は不信任を出すことができません。またリコール制度もないので国民が大統領に不信任を出すこともできません。
え、じゃあひどい人が大統領になったらどうするの?
よく聞いてくれました……。それはですね……
打つ手なしですね!
きっぱり諦めて4年間耐え忍びましょう!
まぁ、私がここで言いたかった「ヤベェ」点というのは、この仕組みを知らなかったってこともそうなんですけど、何より日本の若者に「国のリーダーは辞めさせられて変わるもの」っていう感覚が違和感なく根付いてるってことですよねぇ……。
これは私もかなり疑問でしたので、現地のアメリカ人の友達なんかに聞いてみたりして私なりに考察してみました。
まずは候補者の特徴を軽くまとめてみましょう。
ヒラリー・クリントン(民主党)
自身は弁護士、旦那さんは元大統領で当時のファーストレディー、またオバマ政権下では国務長官を務め、当選すればアメリカ発の女性大統領という、スペックと知名度を年明けの福袋並みにこれでもか!と詰め込んだ女性。
政策としては主に大学の学費負担の軽減、医療制度改革、男女賃金格差の解消なんかを打ち出していて、主にエリート層に支持されていました。
ただ、エリートでない人からするとちょっと嫌味っぽくきこえてしまったり、若者からは正論ばかりいってくる口うるさいお母さんのように思われていてあまりウケはよくなかったみたいですね……。
また国家機密をもらしてしまったというスキャンダルがでたりしたので全体的に口の上手な嘘つきで信用できない、と思われるようなことが多かったみたいです。
ドナルド・トランプ(共和党)
裕福な家庭に生まれ、父の会社に入社し、ラスベガスとニューヨークとシカゴにトランプタワーという高層ビルを持ってたりする、恐ろしい資産を抱えた不動産王。
驚くべきことは今まで公職や軍の要職を一度も務めたことがないんです。
それで大統領に立候補して、しかも当選しちゃうんですからすごいですよねぇ……。
女性軽視発言などの差別発言や、メキシコからの不法移民を止めるためにメキシコとの国境に壁をつくる(しかも費用はメキシコもち!)というような政策でかなりメディアにも叩かれていましたね。
比較してみるとどっちもどっちですが、和平的な分クリントンさんの方がまだましかな……?というような感じがしますが、当選したのはトランプさん。
理由を色々考えてみたのですが一番大きいのはアメリカの行き過ぎた「差別嫌い」かなと思います。
知っての通りアメリカは自由と平等の国で差別をとにかく嫌います。
確かにそれはいいことなのですが、最近あまりにも過剰になりすぎていると感じることが多々あります。
現地の友人に聞いてみると「素行の悪い黒人のクラスメイトに注意をすると『私が黒人だから差別をするのか!』と怒鳴られ、先生にも怒られたことがある」、「努力して大学に入ったのに『白人だから優遇されているんでしょ』といった嫌味をいわれる」などといった話がかなり出てきます。
このような経験はおそらく白人インテリ層に多いのでしょうが、彼らはそれを公表してしまうと「差別者」というレッテルをはられて信用を失ってしまいます。
このことから、選挙前の支持率調査でクリントンさんが優勢だったにも関わらず、トランプさんが当選したのでは……?
ここまで長々と話してきましたがどうでしょうか?
少しは大統領選についての疑問は解消できたでしょうか?
鬱憤のたまったアメリカ国民と、トランプさんが行うこれからのアメリカの政治に不安は拭いきれませんが、実際トランプさんが就任するのは来年の1月20日からで、それまでどうなるかわかりませんしそこまで悲観的になることはないかなぁという思いです。
現にトランプさんは自身の発言をえらくマイルドに訂正してきているところもありますし。
とにかくこれからの動きに引き続き注目ですね……!