学生ライフ
「書く」だけがライターじゃない。Web記事における「伝わる文章」の書き方とコツ

こんにちは、ライターのかまたまです。

記事の冒頭でこの台詞を言い続けてそろそろ2年。
学生ライターとして今まで書いた記事は100本以上(たぶん)。

それでもなお、
「伝わる文章」というのは難しい。

「面白い」×「わかりやすい」は、もっと難しい。

文章を書く人なら必ずぶちあたる「書き方」の壁。
私は作家でも講師でもないただの大学生ライターですが、今まで書いてきたこと・読んできたことから学んだ「伝わる文章」を書くためのコツをまとめてみました。

※あくまでもWeb上での方法です。紙媒体や小説・評論の書き方とは異なります。

「書く」だけがライターじゃない

一番重要なのはこれです。
ライターとは「ただ書く人」であってはいけない。

伝わる文章を書くためには、自分の中に「ライター」「編集者」「読者」という3つの人格がなければいけないのです。

「ライター」は、書く。
「編集者」は、直す。
「読者」は、評価する。

ここまで一人でやって初めて、伝わる文章が書けるようになります。

では、この「ライター」「編集者」「読者」の役割はそれぞれどんなものか?
文章を作り上げるまでの全体の流れの中で、ひとつひとつ説明します。

文章を作るときの全体の流れ

①書く前に「調べる」(「ライター」の役割)

ハンバーグを作るとき、いきなりキッチンに立って包丁を持つ人はいないはずです。いたらそれは多分サイコパスです。
まずは冷蔵庫の中を確認しますよね。必要な材料があるか、道具はそろっているか、買い足すものは何か、時間と費用は足りているか。
それらを調べ、用意し、準備が整ってから作り始めるはずです。

文章も同じ。

いきなりパソコンの前に座っても、材料がなければ書けません。

ハンバーグを作ろうと決める=〇〇(書きたいテーマ)を書こうと決める

冷蔵庫の中を確認=今の自分の知識を確認

必要な材料・レシピを知る=文章にする際に必要な情報、文章全体の構成を決める

買い物をして材料をそろえる=ネットや口コミ、取材などで必要な情報をそろえる

キッチンで作り始める=書き始める

この過程を踏んでから、やっと「書く」作業に入れるのです。

②書くときは「勢い」(「ライター」の役割)

文章を書き始めたら、とにかく10分間は書き続けること。
誤字・脱字はこの時点では無視していいです。
自分の書きたいこと・言いたいこと・伝えたいことを頭の中に描いて、とにかく外に出す。

大事なのは「完璧な完成形」をこの段階で作ろうとしないことです。

書きながら「この表現いいのかな」「もっとこうしたほうがいいかな」とかごちゃごちゃと考えていると、筆が進まなくなります。(この現象を「ライターズブロック(Writer’s Block)」と言います。)

ハンバーグだって、もたもたしているとお肉の鮮度が落ちたり焦げたりしますからね。

鉄は熱いうちに打て。
最初は人の目を気にせず、最低10分間は一心不乱に打ち込んでください。

③書いたあと「鬼のように修正する」(「編集者」の役割)

さて、「ライター」の役目は終わり、ここからは自分の中の「編集者」のターン。

「ライター」の自分が書いた先ほどの文章を、「編集者」の自分が冷めた目で読みます。
誤字・脱字はもちろん、細かい表現や誤用、全体の構成まで、厳しくチェックしましょう。

ポイントは、他人が書いた文章だと思うこと。

自分が書いたものだと思うと、そのテーマに関する知識・先入観・思い込みが頭に残ったままで文章を読んでしまうことになるからです。

「これを書いたやつは何が言いたいんだろう」
「この例えはわかりにくくないか?」
「この表現で不快に思う人がいないだろうか」

こういった客観的な視点で文章を頭から読み直し、徹底的に修正すること。
それによって、書いた時点では60点だったものを、100点に近づくまで磨き上げていくのです。

できれば書いた日から一晩おいた次の日、声に出して文章を読んでみるのが理想です。

※ただし、書いているときに「おもしろい」と思った言い回しや展開は、そのまま残しておく方がいいです。何度も読み返すうちに面白みが薄れるのは当然であり、そこで修正・変更をしてしまうと最初のインパクトや勢いがなくなって「のっぺりした文章」になる場合が多いからです。

④完成した文章を「普段のテンションで読み、評価する」(「読者」の役割)

手間暇かけて完成させた文章を、最後に自分の中の「読者」が改めて読みます。

この段階までくれば、もう「ライター」でも「編集者」でもない、ただの「読者」です。
部屋でベッドに寝転んでTwitterを見ていたらたまたま流れてきた記事を、なんとなくタップして見てみる。
これが普通の読者のテンションです。
間違っても一字一句食い入るように見たりはしないし、なんなら最後までちゃんと読むかもわからない。
それがWeb上の文章の宿命です。

それぐらい軽いテンションで読んだ時、この文章はどう見えるか?

言いたいことが伝わっているか?
読み進めていて疲れないか?
展開についていけるか?
読み終わったあと、もやもやしないか?
単純に、これは面白いか?

最終的に文章の良し悪しを決めるのは読者です。
何の前提も知識も持たない他者が、いかにエネルギーを使わずに読めるか。
それが「伝わる文章」かどうかを決めるのです。

「書く」だけがライターじゃない

「書く」だけなら誰でもできます。

1人暮らしの大学生が深夜に作るラーメンなら、テキトーに作ってテキトーに食べればいいんです。
しかし、恋人の誕生日にとっておきの手料理をふるまうなら、それはもう入念に下準備と飾りつけにこだわるでしょう。

誰かの前に出すものなら、手間暇かけるのが礼儀です。
料理であれ、文章であれ。

大切なのは、「受け取る人のことを考えて作ること」です。

まとめ

「伝わる文章」を書くために意識するべきことは、以下の3つです。

1.自分の中に「ライター」「編集者」「読者」の人格を持つ
2.勢いで書き、丁寧に推敲する
3.受け取る人のことを常に考える

これらを意識しながら数をこなし、たくさんの人の書いた文章を読むことでしか、文章力は上がらないのではないかと、私は思います。

もちろん、Web記事を作るという観点では、写真や構成のテクニックなど、ノウハウは山のようにあります。
今回は「文章」だけに焦点をあてて、意識の部分を特に取り上げてみました。
実践的なわかりやすい文章の書き方(短く切るとか、句読点の使い方とか)を組み合わせると、さらに洗練された文章になるはずです。

「書く」だけが、ライターじゃない。

それでも、書くしかない。

そこが難しいところであり、魅力的なところかもしれません。

ここで書いたことはあくまでも私個人が記事を書いてきた中で学んだことです。
最終的には自分にしっくり来る伝え方・書き方を見つけるのが一番だと思います。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

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シリーズ

かまたま式、文章の極意

 

 

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