こんにちは、ライターのがっきーです。
突然ですがライターということをやっているだけあって、僕は本が好きです。毎日電車の中などで本を読んでいます。
そんな中、ある本を読んで友情と恋愛についてとても考えさせられた作品がありましたので勝手に紹介します。
学生なら気になるテーマだと思いますが、興味がなければ今すぐ右上の×ボタンを押してください。
簡単なあらすじ
主人公野島と、野島を友として尊敬する大宮の友情を描いた作品。
恋愛経験のない野島は杉子という女性に恋をします。
当の杉子も野島の近くに居てくれることが多かった気がします。
もしかしたら杉子も自分の事を好きなのかもしれない。
野島は親友である大宮に杉子の事をいつも相談していました。
実は大宮も杉子のことが気になっていました。
しかし、友である野島を常に応援し励ましつづけます。
親友の恋愛が上手くことだけを考え、自分の気持ちを隠すために杉子を時には冷淡に扱います。
しかし、大宮の意に反し杉子は野島ではなく大宮に好意を持つようになります。
大宮は、
野島との友情を選ぶのか?
杉子への愛情を選ぶのか?
結局、杉子の自分への気持ちを抑えられないと思った大宮は、野島のために海外に留学に出発してしまいます。
大宮は友情を選んだのです。
みなさん、大宮と同じことができますか?
好きな人と両想いであることに気づいていながら、親友を思い自ら身を引く。
しかし、大宮の野島への本当の「友情」はこんな物ではないのです。
杉子は、海外に行った大宮にずっと手紙を書き続けていたのです。
杉子が自分の事を忘れるために海外に来たのに、杉子はいつも手紙を送ってくれます。
大宮は悩み苦しみます。
「大宮さま、私を一個の独立した人間、女として見てください」
「あなたが私に冷淡になさろうと努力なさるたびに、かえって私はあなたが私を愛していてくださることを信じることができました」
杉子からの手紙は、大宮への思いが素直に書かれていました。
大宮はとうとう杉子と一緒になる決意をします。
杉子と一緒になるにあたって、大宮は野島に文ですべてを告白します。
告白のなかには、杉子が大宮にあてた手紙も入っていました。
その内容は野島を絶望に突き落とすには十分でした。
「どうしても野島さまのわきには、一時間以上はいたくないのです」
野島の近くに杉子がいるのは、野島の隣に大宮がいるからだったのです……
ここまで読んで皆さんは大宮の行為をどう思いますか?
一見すると友を裏切った最低の奴に思えるかもしれません。
わざわざ全てを告白する必要はあったのか、と思うかもしれません。
でも
全てを告白した大宮のこの行為こそ、究極的な友情なのです。
野島のことを友として心から尊敬していたからこそ、大宮は野島が立ち直ることを信じていたのです。
大宮の告白を知った直後は、野島は怒り、絶望しました。
しかしその後、野島は大宮に向けて今後は仕事の上で決闘しようという内容の手紙を書いて、物語は終わります。
皆さんには野島と大宮のような関係の友達が大学にいますか?
確かに大学はたくさんの出会いがあります。
でも、それはうわべだけの関係になっていませんか?
TwitterやFacebookで友達になっただけでおわってしまう。
大学ですれ違っても挨拶するだけで終わってしまう。
そんな関係は果たして野島と大宮の関係になれるのでしょうか?
また、自分が傷ついているときに口だけで励ましてくれるのも本当の友情ではないのです。
傷をなめ合うような関係は本当の「友情」ではないと思います。
友が傷ついているときに、友が立ち直ることを信じることこそ、本当の「友情」なのです。
大宮は野島が立ち直ることを確信していたから、野島にすべてを告白したのです。
相手の事を心から信じているからこそ、一見すると裏切りのような行為もできる。
そして、本当の意味での「友情」関係が野島と大宮の間に築かれていたから、野島は愛する人を奪われた悔しさの決着は仕事でつける、という結末になれたのです。
これこそ、武者小路実篤が「友情」に込めた思いではないでしょうか?
いかがでしたか?
いろんな解釈があるかと思いますが僕なりの意見をまとめてみました。
もし恋愛や友情に悩んでいる方がいれば読んでみるのもいいかもしれません。
あなたなりの発見がきっとみつかるはずです。
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